お母さんと一緒の帰り道。
夜空に輝く星々の下で、私とお母さんを乗せた車は走っていた。
「…ねぇ、お母さん?」
「なぁに?」
きっと、私も使うこの間延びした“なぁに”は、お母さん譲りだと思う。
子は親に似るってことかな?
「…私と成弥が付き合ってたこと…
いつ分かったの?」
ハンドルを握りしめながら、お母さんは笑った。
「秘密、よ」
「教えてよ~…」
「だから、秘密よ」
結局、お母さんは教えてくれなかった。
お母さんだけじゃなく、美沙子さんも知ってたし…
成弥は平然としてて…
なんだか、私だけ置いてきぼり?
…みんな意地悪だぁ。
,