「俺は陽菜が好きだって言ってたのに、悠希を好きって言ったのは陽菜だろ?」
「ゔ……っ」
“悠希”と言うのは、小さい頃に成弥ともう一人遊ぶ子がいて…
その子が、遠藤 悠希。
私は“悠ちゃん”と呼んでいた。
そして、当時私が好きだった人…
うぅ~恥ずかしい過去です。
「つまり、俺は裏切られた」
「ごめんなさいーっ
でも、過去は過去でしょ?」
さっきまで成弥も忘れたわけだし…?
お互い様ってことで…
「ひ…」
「私、ケーキ食べたい!」
「分かったわ~
今ケーキ出すからね?」
「わぁ~い♪」
私は無理やり成弥の言葉を遮った。
美沙子さんは冷蔵庫からケーキを出してくれて、もう過去の話をすることはなかった。
その代わりに…
「…よく食えるな?」
「ケーキは別だもん♪
まだまだいけるよ」
「牛になったらかわいがってやんねぇからな」
成弥の嫌味が“豚”から“牛”にレベルアップしてました。
彼女に対して、ほんっと失礼な私の彼氏。
それでも…
大好き。
調子乗るから、口には出さないけどね?
お母さんに、好きな彼氏と、その家族…
みんなにお祝いされて、私はほんと幸せ者だよね?
いつまでも、こうやって仲良くしていきたいな。
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