「それにしても…
二人の小さい頃を思い出すわね~」
「え?」
お母さんの言葉に耳を疑う。
“二人”?
私の小さい頃じゃなくて…?
私と…成弥の?
「あら、忘れたの?
てっきり覚えてると思ったら…」
「ねぇ、それ何歳のときの話?」
私と成弥は、小さい頃に接点あったの?
隣を見ると、成弥も知らないみたいで、不思議そうに話を聞いていた。
「5歳くらいまで、あなた達はよく一緒に遊んでたのよ?
私と美沙子さんが仲良かったからね」
「そうそう。
成弥が“僕、陽菜ちゃんをお嫁さんにする!!”なんて言ってたもの~」
うそ…成弥が…?
え~私覚えてないとかショック…
「陽菜もね、“成弥君のお嫁さんなる!!”って言ってたわね~」
ぎゃっ!!
そんな恥ずかしいことを…っ
よく言えたな、私…
ちょっと感心した。
でも…
それって…
私達は小さい頃すでに両想いだったってこと…?
「成弥」
「ん?」
「…覚えてた?」
「ちょっとだけなら…
あぁ、そっか。
だから陽菜が懐かしいって…」
「?」
最後の方はよく聞こえなかったけど、一人で納得していた。
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