「まぁー…良いじゃねぇか」

「どこがよ…?」



涙目になる私。


成弥の彼女だって、ばれてるなんて…!!

家に入ったときの緊張が戻って来る。



「陽菜…一つ言っていいか?」

「…なに?」



成弥はニヤリと意味深な笑みを浮かべた。


ぎくっ…

この顔なんかあるよ…



「陽菜は俺の彼女なわけ」

「…うん」

「彼氏と彼女」

「…うん…」

「ここ、彼氏の部屋。
そこに二人っきりな現状…」

「………はっ!?」



やっと成弥の笑みの理由に気付いた私。

即座に部屋を出ようとする私を見て、からかうように成弥は笑っていた。



「遅ぇっつーの」

「変態!最低!
もう知らないからっ!」



そう言って、まだ笑っている成弥を残して、部屋を出た。



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