「…怒ってねぇよ」



頭にポンと手を乗せられた。


成弥の大きい手は温かくて…

私はなぜか安心してしまう。



「ねぇ、成弥…?」

「ん?」



前、成弥があんな口調だったのは寝ぼけていたからで…

でも、でもね?



「甘えん坊の成弥、かわいいと思うよ…?」

「………は?」



怒った、と言うよりは、呆れた様子の成弥。


だって、本当の事だもんね。

さっきの成弥かわいかった、なんて…

言ったら怒るかな…?



「あのね…っ」

「なに?」

「…その…もっと、成弥が知りたいの…」

「…は?」



ただ思っていることが口から出て行ってしまう…


こんな恥ずかしいことも…

なんか私、おかしいのかも…



「だから…っ
たまには甘えて、ね?
いろんな成弥を見せて…?」



成弥は、一瞬ぽかーんとしていたけど、すぐに笑った。



「バーカ。
なにかわいいこと言ってんだよ?
それとも……誘ってる?」

「ちっ違…」

「知ってるし。
ってゆーか、それは俺の台詞じゃね?」



はい…?


イマイチ理解できてない私に、成弥の顔が近付いて来て…



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