「ちょっ…」

「嫌!!離してよ!!」

「深川!!」

「………っ」



名前を呼ぶと、暴れていた深川が抵抗しなくなった。

俺は、深川の腕を掴んだまま、深川に投げられた物を拾った。



「…ごめん」

「……………」

「俺も深川に渡したい物があるんだ」

「…え?」



抵抗しなくなった深川の手を離し…

ようやく、深川にあのプレゼントを渡すことができた。



「これ…あのお店の?」

「まぁ、何てゆーか…
深川の笑った顔が見たいなとかバカなことを思って…ははは…」

「~っバカ!!」



気付いたら、言うはずなかったことを口走っていた。

深川は顔を真っ赤にして、下を向いた。



「…開けても、いい?」

「うん。
俺も開けるな?」

「…うん」



俺達は自然と、近くにあった待合用のベンチに座った。


同じ距離なのに、さっきより居心地が良いのは気のせいだろうな。


そして、互いにもらったプレゼントを開けた。



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