「せっかくチャンス作ってやったのに、何してんだよ!?」
「悪ぃ…その…」
心臓がドキドキしてて…?
んな乙女みたいなこと言えるかっ!!
「勝手に陽菜は戻るし…
知らない男らに触られてるし…」
あぁ…本当はそっちで怒ってる…?
俺じゃなくて、桜木ちゃんの方?
「お前、今日が何の日か分かってんのか?」
「桜木ちゃんの誕生日だろ?
俺だって、プレゼント買ったし…」
成弥って…
こんなぞっこんキャラだったのか…
「陽菜、恭平が渡したい物あるって」
「へ?」
深川からもらったプレゼントを見て喜ぶ桜木ちゃんが、俺を見た。
「なぁに~?」
深川の手を引っ張って、一緒に寄って来る二人。
笑顔の桜木ちゃんとは逆に…
深川は俺を睨んでいた。
「どうしたの?」
首を傾げる桜木ちゃん。
本来の俺ならノックアウト決定。
でも、隣と前方から、怖いほど痛い視線を浴びる俺。
成弥と深川は、似た者だと思わなくもない。
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