今日は席替えだ。
「はぁーあ…」
地味に重い机を運びながら更に重い溜め息を吐く。
せっかく親友と隣だったのになあ…。
やだなあ…。
前の席に戻りたい。







「はあ…」
もう何回目かわからない溜め息を吐き、席に座る。
だっるいなー。
…あれ?そういえば隣って誰だっけ?
親友と席が離れたのがショックで周りをあまり確認してなかった。あまりっつーか、全然。

と、ゆーわけで。

隣をちらっと見てみる。
いや普通に見ろよって感じだけども。そこは気にしない方向で。
そしてちらっと見た先には、いつも元気で明るくてクラスの人気者の男子がいた。
…なんだろう、このベタな感じ。

「ん?」
そいつが私の視線に気付いたらしく、こっちを向いて首を傾げる。
なんだこいつ可愛いな。
「なに?」
「いやべつに。私の隣って君なの?」
分かってるけど聞いてみる。特に他意はない……はず。
「うん、そうみたいだ。よろしくな」
にこっと微笑まれる。
「あ、うん…よろしく」
思わずこっちも微笑んでしまった。