騒ぎ出す、私の心臓。

……ヤバい、ドキドキする。


…なんて……、

片思いの時に、感じていた感情。

だんだん、自分の顔が複雑な表情になっていくのが、自分でもわかった。


普通でいい、普通で。



そして、歩きだす私。

やっと、私に気付いた斗和は、少し焦っている様子。


「バイバイ」

手を振って、笑顔で言った私に、あ然とする斗和。


何も言わずに、通り過ぎる。

…そんな事、私にはできない。


校門を抜けると、緊張が解け、やりきった気持ちになった。