泣いても意味ないのに。

山田くん、困らせてる…。


「俺帰るわ」

そう言って、私の横を通り過ぎて行った山田くん。


『待って』

が、言えなかった…。

「……うっ…うぅ…」


足に力がなくなり、その場に崩れ落ちる私。



私、大切なもの、大事なものを、いつも守れていない。


いつも、手の指の隙間から、砂のようにすり抜けて…。