「…すいません」


そう呟いて、塞いでいた手を耳から離した。


「いつまで、こんなことしてんの?」

「…ぇ?」


そう聞き返すと、山田くんは制服のポケットに手を入れて、私に背中を向けた。



「いつまでも逃げてんなよ。怖いとか、そんな後先考えてるから何もできねーんだよ」

自分より何十センチも、背が高い山田くん。

スラッとした体型は、本当に綺麗だ。


「早くしねーと、マジしらねーよ?」


今度は、私の方を向いて言った山田くん。