「うっわああああ!うまそー!みはるんの母さんが作ったん?」

「い、一応…私が作ったんだけど…。」


「まっじでー?すっげー!」

て、照れるじゃないか、啓詞くん。
なに喜んでるんだ、私。


ここに来てから久しぶりな経験ばっかりだ。


「あ、卵焼きもーらい♪」

「え?!」


「うまっ!」

私の得意料理の一つである、甘ーい卵焼きを一口で頬張った啓ちゃんは、元から大きな目を更に大きく見開いて答える。


やばい、嬉しい。

友達とお弁当のおかずを交換とか、小さい頃夢見てたりするじゃんか。


「ちょ、薫ももらえば?薫、卵焼き超好きじゃん。うっまいぜ?」


「ど、どうぞ。」

ほんとは食べてほしくて堪らないのは隠しながら、答える。



「うん、おいしい。」