思わず漏れてしまった甘い声に、彼方(カナタ)はなんとも言えない笑みを浮かべた。 「もっと聞かせろよ」 いつもこうだ。 彼方はいつも私に意地悪をする。 小さい頃から一緒に育って来た私達は、彼方が上で私が下だと、いつからか勝手に決まってしまっている。