「ねぇ。勇気…」
「何だよ」

サッカーの部室で二人きりだ
ドキンドキン…
「ねぇ…。愛の事好きなの?」
「はっ!?」

私からの質問に動揺する勇気。

「別に…好きじゃない。ケド守ってあげたいタイプかな…」
「そっか」

好きとわかって無いだけで本当は好きなんじゃないの?
守ってあげたいって…

「俺は美桜が好きだから。」

美桜…まだ…

「もう、過去の事じゃん。」
「過去じゃない!ずっと…ずっと変わらないんだ!!」


ズルいよ。
美桜。
独り占めして
ズルいよ。
愛。
うちの方が先に好きだったのに

こんなに好きなのに…

走って行く勇気

「勇気。好きだよ?」

届くはずの無い声は直ぐに消えた
乾いた頬に

私のじゃない涙が流れる

そう思いたかった

でも…


何だろう?

悲しくて仕方ないよ?