気がつくといつの間にかシイさんがそばにいて背中を擦ってくれた

 『すみません…っ…』

 「…いいんだよ」

 そう言ってシイさんは微笑んでくれた

 『私…ここまで苦しくなるなんて思いもしなかったです…』

 「…渚ちゃん。私たちは別に死にに行く
わけではないですよ?」

 「それは…そうですけど…っ…」

 なかなか泣き止まない私にシイさんは正面に立って向き合った


 「いいですか?渚ちゃん。確かに私達は海賊でいつも危険を伴います。だけど簡単に私達がやられると思いますか?」

 シイさんのその問いかけに私は首を振った

 「それに例えもう会えなかったとしても私達は渚ちゃんを忘れませんし渚ちゃんも忘れませんよね?


 『…忘れません』

 「会えなくても私達と渚ちゃんはそれだけで繋がっているんです。だから離れていても悲しい事じゃないんですよ?」

 『シイさん…私もう泣きません』

 私はそう言って涙を拭いた

 そんな私に優しく微笑んだ

 「もしかしたらずっと一緒かも知れないしね…」

 そうボソッと呟いたシイさんの言葉は私には届かなかった