『どうして…っ…何も守れないの!?…っ』
「ナギちゃん…」
『お父さんも…お母さんもっ…お爺ちゃんでさえ守れなかった…せめて…せめてお爺ちゃんが建てた宿だけでも…でも結局何も守れなかった…っ…悔しいです…』
自分の力がこんなにちっぽけだったんだ…
泣くのはずるいことだと思うのに涙が溢れた
ぽんっ…
泣いていると頭に温かく優しい温もりを感じた
「泣くな…俺が何とかしてやる」
『クリュウ…さん…?』
クリュウさんの声がして顔をあげるとクリュウさんと目が合い優しく微笑んでくれた
そしてクリュウさんは…
『クリュウさんっ!!!』
炎が勢いを増して宿を全て包み込んでいる中入っていった…