「お願いします…どうか捕まった人たちをとはいいません。だけどナギちゃんだけは助けてください」

 「ナギちゃんは俺達をずっと守ってきてくれた…なのに俺達は何も出来なかった…こんな小さな子に怒鳴られるまでナギちゃんがどれほど俺達にとって必要か大切かに気づけなかった…」

 「ナギちゃんは俺達にとってかけがえのない大切な存在なんです」

 町の人達が次から次に口を開いていく

 「コウガ兄ちゃん…」

 絵茉が船長のそばに来ると頭を下げた

 「ナギ姉ちゃんを助けて…私の宝物全部持ってっても良いから!」

 そう言って絵茉はポケットから綺麗なガラス玉を取り出した

 そんな絵茉に船長がニヤリと笑い頭にぽんっと手をおいた

 「ガキんちょ。渚はお前にとって宝か?」

 その船長の質問に絵茉は「違うよ」と首をふった

 「ナギ姉ちゃんは私の宝物じゃない…みんなの宝物なの」

 そう言って笑った