俺は都賀 泰樹(ツガ タイキ)。


高校三年生。


親父の名前は
都賀 雅昭(ツガ マサアキ)。


親父は有名な政治家だ。


しかし、その実態は……






――最低な野郎だ。


裏で上手いこと他の政治家に
金を贈っている。


いわゆる賄賂ってやつ。


金で物事はすべて上手くいく
とか思っているような奴だ。


おふくろが俺が赤ん坊の時に
行方不明になったのをいいことに
仕事がない日は女と遊んでたり
している。


本当にどうしようもない
最低な野郎だ。






俺はそんな親父が大嫌いだ。


顔も見たくないと思うほどに。


俺は親父と関わらなくて
済むように早くこの家から出て
行きたかった。


だから、俺は県外の大学の
教育学部を受験することにした。






俺の将来の夢は小学校の先生に
なること。


『いい教育をさせて親父みたいな
最低な人間にさせないように
する』


俺はそんな先生になりたい。


絶対に俺は親父みたいには
なりたくないし、
親父みたいなやつを世間に
出させたくない。









そう思ってた矢先、
俺は受験が終わったときに
受験会場で出会ったんだ。


愛しい君に―……









黒髪のボブカット。


ぱっちりとした大きな瞳。


スッと通った鼻筋。


ふっくらとした唇。


透き通るような白い肌。


何もかもタイプだった。


一目見たときから
心臓がドキドキした。