同時に振り払われた手。



一気に冷めた体温。



両手で力強く押し出されて,お兄さんの胸板に鼻を強打した。





「この女,あ,あげるんでっ!…ゆ,許して下さいぃ!!」





………は?



唖然としているのは私だけではない。



この展開を予想だにしてなかったお兄さん達。



ダイキは涙目になりながら走り去って行った。