…………こんな奴だったかしら?」
「…………うわぁ!!!」

目の前にはオーナーが立っていた。
右手に斧を持ちながらライターを灯し、左手には長嶺の首を掴んでいる。


長嶺の首からはピチャンピチャンとトンネル内の水溜まりに血が滴り落ちる音が今の状況を不気味なものに変えていた。



分厚い唇……大きな体……異常な程に出たお腹……たるみ落ちているほっぺた……


まさしくオーナーだった……



薄暗い中でニヤリと笑う口元が一瞬のうちに永井を恐怖へ陥れた。




あまりに驚いて尻餅をついた永井はブリッジのまま後ずさりする…





ヤバい!殺される!!



…殺される!!






「……フフフフッ…み~つけた…!!」




後ずさりしても扉が開かない限りこれ以上進まない…





「………永井ちゃん…なんで逃げるのぉ~?………フフフッ…………まさかこいつと組むとは思わなかったわねぇ~…













………裏切り者が!!」

ザクンッ!


オーナーの斧が持っていた長嶺の顔面を真っ二つに切り裂いた。