「……わざわざ小向にあの役をやらせたのも、誰かがイカサマだって言いつけたときの理由に使えるからだ…」

「…………」
言葉が出なかった。
自分がしてきたことがバカバカしく思えるほどあちこちに仕掛けられたオーナーの企てに恐怖より怒りがこみ上げていた。




「……じゃあ次は9点の減点ポイントだ…」
「………それを知ればあと1点って訳ですね…」

次にどんな真実が待っているのか…想像するだけで恐ろしかった…


「………まぁ…これが一番驚くだろうな…」
「…何なんですか…?」



男の口がゆっくり開いた…















「…俺もグルだ……」







自分の脳裏に響く男の言葉……




そして永井はもう一人裏ミーティングに参加しているということからもう一人のサクラの存在にも感づく…

「……ってことはもしかしてあのスーツの人も…」
11番テーブルに座る男。
こいつもそうだろう…


「…そうだ…。裏ミーティングは、いわばサクラのミーティングだってことだ…」
「…どうして?……なんで?………ふざけてる!こんなの許されない…!」
「……許されないだろうなぁ……だがお前はそれに承諾してサインし、その事実を覚悟の上で今まで働いてきたんだろ…?誰もが了承のもとでやっていることだ…」