「…俺らはただ単に得する道を選んだだけだ…!!それに人助けもできるなら一石二鳥だろ…!…てめぇとグルになったつもりはない…!…てめぇは策に溺れていた…あいつはそれをうまく利用して勝った…ただそれだけだろ…。」
そう言うとカウンターの男は席に座った。


「……チッ!」
6番テーブルの男も引き下がった。





オーナーがゆっくり腰を上げる…




「……これにて大島信行……退職を認める…!」

「…しゃーー!!」
大島がガッツポーズをして永井に向けた。

客と従業員の拍手の中、永井の拍手が一番大きな音を出していた。

そして気持ちをハグで表した。


すごく嬉しかった。






しかし…
そのすぐ後永井に緊張感が戻った…。

「…さ~て…ここの常連さんならご存知だと思うけど、同じことをして退職する者が出ないためにも今後賄賂的な行為は封印させていただくわ…!もちろんお客さんも禁止よ…!」

驚いて落ち込む従業員が半数以上いた…
6番テーブルの男もため息をつく。

そう…オーナーは同じ方法で退職はさせない。
永井はこのことは読んでいた。