大島の説明が続く…

「…もちろんこのことは他の客にはしていないとあえて言うことで、自分だけのチャンスを逃す訳にはいかないと客たちは思い込み、俺の誘いに簡単に乗ってきた。そりゃ、お前のような奴に言ったら逆効果だということは分かっているから、人を選んでね…。」

「…チッ!」
舌打ちをされた。



「…俺はここに来た時に、やはりどう脱出するかをすぐに考えた。それが金で客を操る方法だった…。…お前がやった方法と同じだ…!」


「……なるほどね…」
オーナーが冷静になって話し始めた。

「…それで1週間で退職するのではなく、金を貯めてから退職願いを出してきた訳だ…」

「…そういうことです。」

「…でもそんな話…客が簡単に信じるかよ…!」
「……そのために金は余分に残しておいたとしたら…」
「………!」

大島が勝ち誇った表情を見せる。


大島が部屋を出るときに持っていたパンパンのバッグに今や厚みはない…