「…お前早く見てこい!!」
「……あっ…はい!!」
出入口で見張っていた男がトイレに向かう。

オーナーも座りながらもトイレの方を見る。



若い男がすぐさまトイレの扉を開けた…

「…う………うわぁ!!」


その声に部屋にいた者が続々とトイレへ向かった。


永井もその流れにそって見に行く…

「…おいおい…あいつ大丈夫かよ…」
そうつぶやいて自分のいた席に戻る奴もいた。
最初に見に行った男は尻餅をついて怯えている。


「…あ゛ぁアァーー!!」
…ガシャン!!


ようやく永井も見える位置まで来れた…


「…二葉さん!何やってるんすか!」


「…あ゛ぁアアァーー!!」

トイレの中は赤い血が飛び散っていた。
二葉は何かにとりつかれたかのように、拳で、さらに頭部で鏡を割っていた。

鈍い音と共に、鏡が甲高く割れる音、そして赤い血液を撒き散らしていた…

そして排水溝へと血は流れていく…



「…二葉さんどうしたんですか…!」
大島が二葉のもとへ駆け寄って腹を抱きかかえて抑えようとした。
「…どけ!」
二葉に振り落とされて尻餅をつく。