ガヤガヤとした中で二葉の足はオーナーの前で止まった。
「…5分だけトイレに行かせてください…。」
「……5分と言わず…気が済んだらすぐ帰ってきなさい…」
「…分かってます。」

そういうと二葉は部屋を後にした。



「…なぁ…あいつ逃げ出すんじゃねぇだろうなぁ…」
客の1人がぼそりと告げた…

「……まさか!」
「…おい!誰かトイレの前で見張ってろ!!」
若い客が出入口の扉を開けてそこで見張りを始めた。


トイレの出入口は目の前にあるため人の出入りがあるならすぐに分かる。



「………どうだ…!」
カウンターの客が気になって体を左右に揺らす。

「……なんか顔を洗っているらしいです…」



二葉は顔を洗った後 正面の鏡を見た…



自分がこんなにも醜いなんて………


くそっ!!





その時だった…!




「あ゛ぁアアアァーー!!」
ガシャン…!!!




突如トイレの中から聞こえる割れる音…
「おいっ!何の音だ…!」


…バリンッ!パラパラッ…

ガシャン!
「…ア゛アァアアァーー!!」
…ガシャン!ガシャン!!