その言葉に大島は引き下がった…


そう…自分も金目当てでここに来た…
何も言い返すことができない…


誰が『クビ』だと分かっている以上、10口賭ければさらに1000万が返ってくる…。つまりこの賭けに乗れば1650万が客一人一人に入る…!
こんなチャンス誰が逃すだろうか…



時計の針が進む音をしばらく聴いていた…




そんな沈黙の中…

「……皆さんの気持ちがよーく分かりましたよ…」
二葉が口を開いた。




「…投票は皆さんの好きなようにしていただいて構いません。私は最後まで皆さんがお金で人を判断する方ではないということを信じたいと思います…。」
そう言うと二葉は出入口の方へと歩き出した。


「…お…おい!どこへ行く!!」
「……ちょっと最後は自分を変えたいと思いまして…。少し頭を冷やしてきます…。こんな状態で私がこの仕事を退職することができませんからね…」
「…どうせ変わんねーよ!」
「…泣き言ってコレのことか…!?」