「…お前らそんなんでいいのかよ!!…金で自分の意思まで動かされちまうのかよ!…今こいつにお前ら全員操られてるんだぞ…それでも…」
「…それでも!!」
負け越しが続いていたカウンターに座る客が割り込む。

「それでも…俺たちは金が欲しいんだ…!」


「…そういうことだ、坊ちゃん…!」
今度は2番テーブルに座っていた がたいの良い客が立ち上がった。
「…俺たちだって金に困ってる…!正直なところこんな賭けはしたくねぇ!お前らは働けば俺らよりはるかに貰える…でも俺らは賭けに勝たなければ金は得ることができない!!それなら投票だけで確実に金がもらえる方法に乗った方がいいだろ…!」

大島はただただ黙って客たちを見てるしかできなかった…

辺りを見回しても大島の意見に乗る人などいるはずもなかった…
所詮大島の考えは…『偽善』。
そんなのに乗っても返ってくるのは、良いことをしたという自己満足…実際に目の前に残るものはそれだけ…
金など残るはずもない…


「……ここに来ている奴らは誰もが金目当てだ…今更そんなキレイ事など誰も耳を貸しやしないよ…」