「……二葉…!………大島!……大島、中村!………永井…!…二葉!……大島……!」
いつものように名前が呼ばれていく…
自分の票を計算していくが、特に問題なさそうだ。
知っている人の中で 呼ばれていない人がいないか耳を澄ます…
「……田端…!!……渡部!…佐田!………二葉!!…大島…!!」
…大丈夫そうだ…!
恐らくあまり関わったことのない名前の従業員が『クビ』になるだろう。
「…んじゃー順位を発表しま~っす!!」
二葉、佐田、大島に続いて自分の名前が呼ばれた。
「……13位!!…これで呼ばれなかった奴が『クビ』だぞー…!…いいかー…?」
今回のオーナーはクビ発表までにあまりタメずに答える…。
「…………中村っ!!」
「…良かったぁー…」
中村のその声をかき消すように 騒ぎが始まる…
「……んだよ!!!!…やっぱりそうじゃねぇかよ…!!!!!……昨日言ったよな…!?」
「早く殺れ…」
そう言うとオーナーの近くにいた兵士がその男に駆けて行って大きな刃を下ろす…
「…お前ら騙されるなよ…!!!…こいつは………うっ…!!!」
何かを話し続けようとしたようだが、その時には男の喉ぼとけに刃が到達していた。
男は『浅川』という名の従業員だ。
何度か投票の際に 名前を聞いたことがある程度だが、浅川の その最後の言葉には誰もが引っ掛かったであろう…
最後に浅川は処刑してきた兵士を指差していた…