その箱をカウンターの客に見せる。
「…………。」
永井も箱を覗き込める位置まで近づいた。
「……お前が今までに犯してきた不正は………………この箱の下にあるんだ…!」
そう言うとオーナーは箱の横から出ている金具を床に向かって下げた…
「………………!!」
カウンターの客だけではなく、それを見ている人 全員が驚いた。
その瞬間に箱の内部の底が持ち上がり 何十枚何百枚もの投票用紙がそこには散らばっていた。
つまり箱の内部は上げ底状態になっており、その底は取り外しが可能だった。
「……初めから分かってたよ。この箱の横には穴があってね…君が投票する時になると ここに彼ら(兵士たち)が持つ金具を入れて底をあげることで 君の投票用紙だけ別にさせてもらった。………分かったかな…?」
「……ん゛ーー!!ん゛ー!」
カウンターの客は何かをオーナーに訴えていたが…
「…連れていけ…。」
再び部屋から出て行った。
連れ出されながら彼は何度かオーナーの方を振り向いた…。
永井は何か腑に落ちない様子だった…
自分の予想は外れたが…何か今のオーナーの答えはひっかかる…!
…………一体なんだ…!?
「………おかしい……」
「…ぉおっ…!!」
いつの間にか隣にいた大島に驚く。