第三部は背が低い従業員が『クビ』になった…。
確か彼は自分のベッドの下にいた男だったはずだ…
ベッドから離れることなく、毎日足だけを出して布団にくるまっていた。
名前も聞くことなく目の前からいなくなってしまった…
今に思えば複雑な気持ちだった…
しかしそんなことより…
一つ不可解な点がある……
オーナーはグルだったのかどうかだ………
最終的にはイカサマをしていたあの客に非難が向いたが 肝心のオーナーには向いていない……
毎回あの客があんなに大量の用紙を入れていたら必ず痕跡が残るはず……しかし最初にあの箱を手にした時にはそんなのなかった…………というかむしろオーナーはもっと早く俺らより気付いていたのではないか……!?
永井の中で様々な可能性を繋げていった…
もしオーナーがそれも含めて投票用紙を取り出していたとすると、いくらオーナーでも途中で数が多いことに気付く……つまりその時点で仕切り直すが そんなことは一度もなかった…ということは 適当に紙を人数分引いて 残った紙は『クビ』になる従業員の騒ぎに紛れて破棄する……………
………これだ!
やはりオーナーもグルだ……!!
「………では第四部を始める…!」
………どうする…!この可能性を暴くべきか…!?
「……あ…そうそう…!…第四部を始める前に…さっきの奴をもう一回連れてきなさい…」
オーナーは兵士にそう命令すると、何分かした後に カウンターの客がロープで縛られた状態で連れてこられ、床に投げ出された。
地面に叩きつけられたとき、ウッと声を挙げた。
口も縛られているため話すことができない。もはや無抵抗である。
「……君にいいことを教えてあげよう……。………おい…!箱を持って来い!」
投票ボックスがオーナーの手に渡る。