大島は箱を逆さにして投票用紙を一気に出す。


床に散らばった何枚もの紙の枚数が大島の生死を決めることとなる…。


今の客の数は12人……つまり13枚以上あって そのうち同じ筆跡 同じ色のペンで書かれた紙が何枚かあれば 確実にあの客は紙を多く投入したことになるのだが………



永井も体を乗り出して見る。






…………ん…?



永井の場所からでも一瞬見ただけで分かった…





投票用紙が…


「……異常に多いな………」
大島はホッとしたように言った。


永井も深いため息をつく。


「……はぁ……よかったー…。」




「…………!?……えっ?……なんで……なんでそんなにあるんだ!?」
カウンターの客の表情が固まる。


「………決まりだな。」
オーナーが低い声で言った。


カウンターの客は頭を抱えて取り乱し始める。
「…はぁァア!?……どうなってやがる…ふざけんな!俺は入れてない……!!……ホントに入れてないんだ…!」


部屋は静かで、彼に冷たい視線が一気に向いた。

「……おいっ信じてくれよ…!!……………あっ…!」
何か思い立ち、一気にオーナーのもとへ歩み寄る。

「………罠だ!……誰かが入れやがったんです!…誰だ入れたのは…!!……おい!誰だ!!」