気のせいなのか仕事中の大島は永井を避けているようだった…
第3部の時間はもう終盤にさしかかっていた。
大島に対して永井にできることは何もない…それが一番悔しかった…
……でも…万が一のことがあれば……自分の身を差し出しても大島だけは助けたい…
そんな思いはあっても、どこかで自分を信用していなかった…
結局、人間 自分が一番なんだ…
カウンターの客は今日も同じ場所に座っていたが、普段より様子がおかしかった…。
何かおどおどとしており、落ち着きがなかった…
やばい…今度こそバレる………!
永井があれこれと考えている間に時間は過ぎ、終了のベルが高い音を鳴らした。
「……はぁ〜い!終了〜!!…いつも通り投票用紙に良かった奴の名前書いて箱に入れてねぇ〜…!!」
さて……いよいよだ…!
大島はカウンターの客 ただ一人に注意を集中していた。
視線を感じるのか その客は、たまにごまかしながら周囲を見渡した。
特に永井と大島には警戒しているようだった…
その間に従業員たちが次々と鎖に縛られていく。
大島は二葉を挟んだ左隣に繋がれている。
カウンターの客は背中を向けているため一枚だけに名前を書いているのか、またしても大量の投票用紙に名前を書いているのかが分からなかった…。
でもそれは投票するときに分かる…!
しかし永井も大島も同じ気になる点があった…
これが全て演技だったら…ということだ…