「……なぁ…」
「…ん?」
大島が頭で何かを考えながら話す。
「……もう一度…あの客を…訴えないか……?」
永井は足を止めた。
突然何を言い出すかと思えば…
大島のその言葉には 命知らずな奴になったのかと不安になった。
「……どういうこと…?本気でもう一度訴えんのかよ!…もう箱を調べても何もないかもしれないし…第一、あの客がまた大量の投票用紙を入れるとは限らないだろ!?」
「…あぁ…そうだ!……だから今回は、あいつがたくさんの投票用紙を入れた時点で言う!!…普通に一枚入れたら何も言わなければいい話だ…。」
「……待ってくれ!…もしも…もしも…何もなかったら……!!」
「…大丈夫だ!!」
大島は目をつぶりながら大きめの声で言う。
「…大丈夫だ…。俺にはちゃんと…策があるんだ…。今回はお前が関与することない。これ以上迷惑かけたくないんだ…」
「……そんな!…大島がやるなら俺だってやるよ!!」
「…もしものことがあったら…!!」
再び大声を出され、永井は声を止めた。
「……俺にもしものことがあったら………お前だけには生きててほしいんだ……!」
そういうと大島は走り去っていった。
「………大島…!!」
仕事場の前まで追いかけたが大島に追いつくことはなかった…。
…あいつ………何を考えてやがる…!