「…永井!あの箱に何か手を加えないかよく見ていろよ!!」
「……お…おう…!」

「…別に構わんが何もないぞ…?」
「……それは見てみないと分からねぇな。…あの客が投票用紙を大量に入れてから今までずっと見ていたが、特に怪しい動きはなかったことからすると、その大量の用紙はその箱に入っているはずだ…!!」

「そ…そうだ!!俺にも見せてみろ!!!…本当に俺が一番投票数が少ないのかを確認させろっ!!!!!」
平居が叫ぶ。

「…おい…!」
オーナーが兵士に話しかける。
「……大島と永井の鎖を外してやれ。それでその投票ボックスをその二人に持たせて平居の前で確認させろ。…グル疑惑を発展させないためにもお前らは投票ボックスに触るなよ。」
「…ハッ!!」

すぐに大島と永井は開放された。
そして大島に続いて投票ボックスを取りに行く。そのまま平居の顔の下へ持っていく。


投票ボックスの中は暗かった。


大島の手がゆっくり箱の中へ入る…






部屋中の息がすべて大島の手へ向く…








自分のより明らかに大島の心臓の鼓動が大きい…。


高校受験の結果を見に行った時より この瞬間が非常に長く、かつ緊張している…。






大島、永井、平居が望むことはただ一つ………『箱の中に紙があってほしい』…






そして大島の中指が箱の底に触れた……