「…時間だ!!…投票と賭けを始めるぞー!!」
オーナーが重い腰を上げた。


「いいな…まずはカウンターの男が大量の紙を入れるのを確認するんだ…!」
「あぁ…分かってる…」


カウンターのあの男の右手が不自然に動く…



……

……………

…………………


投票箱を持った兵士が男に近づく…


その時……







………はっ!…入れた!!


男の右手に大量の投票用紙が箱に投入された。

「おいっ!大島…!!」
「あぁ…間違いねぇ…!…あの箱には大量の投票用紙が入ったことになる…!!」
「…カウンターの奴が賭けに勝っても負けてもそのことをチクるんだよな…!?」
「…………とりあえずな………でも………」
「…でも…?」
「……いや、何でもねぇ…」
「…何だよ…!」
「……………嫌な予感がするんだ…」
「…嫌な予感…?」
永井には大島が何の事でためらっているのかが分からなかった。

大島は考えながら永井に相づちした。
「………うん……俺の推測なんだけど………もしあの二人グルだったとしたら、何かしら手を打ってあるような気がしてならないんだ…恐らくそんな簡単に物事がうまくいくはずがない…」

自身がなさそうな大島を見るのは久々だ…

だが永井に戸惑いはなかった。

「…おい!今さら何言ってるんだよっ!……あの男が紙をめちゃくちゃ入れたんだから、その事実だけでも言ったほうがいいだろ…?」
「……そ…そうだな…。分かった、じゃあ最下位の奴が決まったらすぐチクるぜ…!!
それでいいんだろ…?」
「…それでこそお前らしいな。」
お互い顔を前に向ける。