「……オーナーもグル……!!」
二人の声が重なる。








「……では!…第3部の投票を開始する…!!」
やはりカウンターの男は 手に複数枚の投票用紙を含ませて投票箱に忍ばせた。

「…………やっぱりな…!」
「…入れやがったか…」
たまたま隣に大島が繋がれていた。少しでも双方で顔を近づけて話が聞こえるようにした。

そして誰が『クビ』になるのかを投票し始める。

男は何食わぬ顔で開票の時間を伺った。
「……では開票するぞ…!」

「…いいか…!もしあのカウンターの客が賭けに勝ったならオーナーとグルだ…!」
「………でも…グルなら金取られたりすることないから、賭けに負けたとしてもわざと悲しい顔をして怪しまれないようにするんじゃないかなぁ……」
永井のその言葉に大島は少し考えた。
「………………そっか……。演技料として後からあの客の取り分をやれば あの男はいくらでも演技をするだろう……」
「……いずれにせよ ひとまずこの回はあの客の様子を見た方がいいんじゃないか…?」
「………そうだな……俺らが生き残れたらの話だがな……」
二人はカウンターの男に注意を向けた…。
不敵にも口の間からわずかに白い歯を出して笑みをこぼしていた。