寝室に戻ると二葉は再びどこかへ出かけていった。

結局誰も起きてなかったため自分もベッドに横になった。
逃げ出す気もなくなって無力状態なのはこの時の自分でも分かっていた。


ベッドの縁を使い汚い字が目立つ適当な文で辞表を書いた。

こんな仕事だ…整えられた文や字など気にすることないだろ…


折り目がズレたため封筒に入らなかったが無理やり押し込み 封をすると、ヨレヨレの辞表が完成した……












「………う〜ん……そう!……分かったわ…!……来週限りで帰ってもいいわよ…!!」
「…えっ!?いいんですか…?」
バーでお酒を飲んでいたオーナーは辞表を読み上げるとすぐに返事が返ってきた。
「…何驚いているの?辞めたいんでしょ?」
「……あ…………はい………まあ……」
「………残念ねぇ〜…せっかく私好みの男だったのに〜…」
「………………すいません…」
「…悔いのないようしっかり働くのよ!」
「……あっ…はい!」

意外だった。オーナーなら何かしら条件を出してきてもおかしくないのだが、しかもあの適当な辞表であっさりオッケーされた。


二葉も一週間を通過して辞めることができたということは 来週の土曜日…本当に帰れる…!


お酒に酔っていたから了承されたということも考えられるが…しかしオッケーされた以上今後何も疑うことなく少しは解放した気持ちになれるのが嬉しかった。

……あとは『クビ』にならなければいいだけ…………



今日もがんばろう…!


永井は仕事の時間まで睡眠をとることにした…