10分ほど車を走らせたところでとまった。







「降りないの? 歩椎…どこ?」





男はニヤッと笑った。





その瞬間、





はめられた………






そう分かった。






「俺が松永の居場所聞きてーくらいだよ。ははっ。




俺あいつに女とられたんだわ。




で本人やっちまうのも良いんだけどさ、大切なもんとられたんならこっちも大切なもんとってやろうかと思って」






………タコ。





ただ歩椎にビビってるだけじゃん。





「………」






「今日はじっくり喰わせてもらうわ」






そう言って男は近づく。







「やっ………」





「あっそうだ」





男は私の口を手で押さえて電話をかけた。






「あぁ俺。ついた」


「おぅ」




それだけ言って電話を切った。