歩椎と喧嘩したまま1週間が経ったある日。





「ねぇねぇ君可愛いじゃん」




げ……ナンパ。





しかも駅前って…普通すぎ。





「ね、ちょっとお茶しない?」




「結構です」





「えーなんでー? どうせもう帰るんでしょ?」






「はい。帰らせてください」





「ったく…松永が呼んでんの」



男が言った。




「えっ………??」





喧嘩していても、松永、という言葉にはついつい反応してしまう。




「とりあえず車乗って。松永の家まで送るから」






「…はい」






なんて、バカなんだろう。






男の車なんか乗ったらどうなるか、予想できたはずなのに。






歩椎と仲直りしたいって気持ちしかなかったんだね……