目の前で物心ついた時から一緒に居てくれた侍女が倒れる。


ー何故?! 嫌っ!!


魔族は夜に行動を起こすと思っていた。


だから、私が連れられるのは夜だとばかり思っていた。


マリーは自分の考えの浅さを憎んだ。


マリーは倒れている侍女を揺すった。


「…ん…う…」


良かった…。まだ息がある。


側で父の声がした。


「連れて行くのは夜ではないのか!?」


「誰が夜になったら連れて行くと言った?私は今日連れて行くと言った。だから約束通り連れて行くだけだ。朝か昼か夜かなど私が決める事」