隠すことを諦めて担任に疑問をなげかけた。自分を隠すことにも疲れていたのかもしれない。

『アンタにはバレバレなんだな。どこまで知ってるんだよ。オレをクビにするか??』

男口調、少しでも動揺を隠すように平静を装って静かに言葉を発した。

「ククク、ちょっと鎌かけただけだ。それが本当のお前か。否定するかと思ったが馬鹿正直に素顔見せやがったな。」

考えてもしなかったまさかの一言。

《コイツ何言ってんだよ。わかんねぇ。何がしたい。》

「薄々だったんだがな。お前から漂うタバコのにおい、何より誰も近寄らせない雰囲気を無意識に放ってやがる。確信に変わったのはさっきトイレから出てきた時だがな。」

『そこまで言われちゃ否定はしねぇよ。別に学校だって来たくて来てるわけじゃねぇ。退学させるか??』

あまりにもハッキリとした口調で淡々と話す姿に動揺も薄れ、むしろ感心さえおぼえた。

あくまで強がりな言葉。次に発せられるであろう担任の言葉に脅えてたんだ。

「学校を辞めさせる気なんて更々ねぇよ。ただ、気に喰わなかった。てめぇを殺して偽って人と接しているお前が。」

「ガキが大人ぶってんじゃねぇよ。本当のお前が見てみたい……と思った」