『もしもし!』

「もしもし…」

ずいぶんとチャラい男の声。
短い単語でも、すぐにわかる。

『あ、俺、そのケータイの持ち主なんだわ。面倒で悪いんだけど、今どこにいんの?』

迷ってるのに、場所なんてわかるわけないでしょ!?

「……」

『もしもーし、聞こえてる?』

「あっ、あたし、どこにいるかわかんなくて…」

『えー、友達に聞いてよ。』

だから…あたしはみなみを待ってたのに…

「あの…あたし今友達を待ってて、ひとりなんです。そしたら迷っちゃって…」

恥ずかしいけど今のあたしの状況を話す。