「あ、あたしは……

あたしの心に嘘がつけないんです!」



あたしは自分に嘘をつくことを止めたんだ。


「そうだな……

君らしい、と言えば君らしい、と思う。

でも……

答えは急がない。

言ったろ?

僕は気が長いんだ。

そして……

僕は誰よりも、君と君達家族の幸せを願ってる。

それだけは忘れないで」


あたしは、唇を噛みしめた。


――あたしの選択は間違ってる?


子供達の幸せを願うなら、あたしのこの気持ちは封じ込めなければならないのだろうか。

何より、こんなにあたしとあたし達家族のことを思ってくれてる、坂本さんの気持ちに応えるのが、人としての正しい選択なのかもしれないと。