次の日…
「あっ!佐奈おはよっ!」
校門の前で、光に会った。
「おはよ!」
私達が教室に向かうと、何か教室がざわざわしていた。
ガラッ
「ねぇ…あの人来たんだ。」
「変なことしなきゃいいんだけど…。」
周りでは、ヒソヒソと話す女子や男子がいた。
「ねぇ、みんなどうしたの?」
私は、近くにいた女の子に声をかけた。
「あの谷本春喜って人、問題児だって噂なんだ。」
「ふーん。そうなんだ。」
私は迷わず自分の席につく。
「おはよ、春喜君。」
「あぁ、おはよう。」
私達が挨拶をすると、周りはまた、ヒソヒソ話を始めた。
「お前は、周りからあんなに言われても平気なのか?」
「えっ?だって、どうせあれ本当じゃないでしょ?」
私には分かっていた。
春喜君は、見た目は怖いけど、根はすごく優しい人なんだって…。
「お前って、強いな。」
「へっ?」
「いや、何でもねえ。」
「ねぇ…。」
「何?」
「私のこと、名前で呼んでいいよ。佐奈って…。」
私は正直、名前で呼ばれないことに少し、拗ねていた。