その日は、いつものように帰りに病院に行った。
「先生!」
「あぁ、佐奈ちゃん。」
「検査の結果、出た?」
「うん。じゃあ、そこ座って。」
私は、先生の横に座る。
「この病気は、症状が表に出ないけど、確実に進行してる。」
「うん。」
それからしばらく説明を受けた。
「先生、私ね、友達に話しちゃったんだ。病気のこと。」
「そうなんだ。」
「そしたらね、私が病気でもずっと親友でいてくれるって言ってくれたんだ。」
「そりゃよかったじゃないか。」
先生は笑顔で聞いてくれる。
でもね先生…、私分かるんだ。
私だんだん、"死"に近づいてる…。
本当はね、すごく怖いんだ…
だんだん死に引きずりこまれてる感じがして。
「先生………私はあと、どのくらい生きられますか?」
思い切って聞いてみた。
「あと……、長くて2年…。」
言われたら、やっぱりショックを受けてしまった。
2年………
周りの人には長いこの時間も、私にはとても短い…。
周りの人には人生のたったの一部でしかない時間でも、私には一生分の時間…。
私はみんなのように、結婚して、子供つくって、育ててなんて幸せは、こないんだ…。
悲しいけど、これが現実。
やっぱり覚悟してても、ショックを受けてしまった。
私は、そのまま立っていることしかできなかった。