靖杜はそう言って、あたしのあごを細くて綺麗な指でなぞる。




「…えっ…?」


「………椎榎ちゃんを」


「…うん…」


なんでこんなにも
心臓が


ドキドキするんだろ




「…食べちゃいたい!」

「∑ぐはっ!!」


いきなり抱きつかれて、びっくりするあたし。




「あはは♪びっくりしたでしょ」


あたしを離し、靖杜は満面な笑みであたしを見た。




おいおい…

…心臓に悪いよ…。




「俺にも、椎榎ちゃんをドキドキさせるチャンスをくれなきゃ」