『だ、だって……』


今電話の向こうの椎の顔を想像してみたら、
急に会いたくなってきた。




「…椎」

『え?』


「…暇か?暇だよな?」

『えっ?あ、うん、まぁ…』




「…10秒以内に、
…俺の側に来い」


…早く、
――お前に会いたい。




『えっ?!じゅ、10秒!?むちゃだよそんなっ「いーち、にー」


俺が数を数え始めると、



『わわ、わかったから、すぐに行くから待ってて!!』


「…くすっ。
…当たり前だ」


俺はそう言って、携帯を閉じる。




…早く来ないと、
何するかわかんねぇぞ?