「そっ、そうだよ!
俺らも戻ろうっ!!」


「えっ、俺は別にッ「いいから帰るぞ!」


…靖杜は強引に、宇津井に連れていかれ、部屋の中あたしと淨弥の二人だけになった。




部屋が静まりかえり、あたしの心臓はみょうにドキドキする。




「…やっと邪魔者が消えた」


ほんの一瞬の出来事だった。


風が唇をかすめたように、軽く、軽く、でもすごく甘いキス。

顔が離れる時、コツンとおでこ同士をくっつけて、

「……好き」


いままでにない、可愛らしい顔で、淨弥が笑っていたんだ。