「・・・帰る。」 まるで機械のような そんな無機質な声で 小さくそう言った。 「奏くん・・・。」 「悪いけど、1人にして。」 心配そうなセンセーをよそに 目もあわさずそういった。 そして自分の病室に戻った。 病室に入り目に入ったのは 大きな鏡だった。 そこには俺の姿が はっきりと写っていた。 涙でぐちゃぐちゃな顔。 俺はハッ、と鏡越しに 自分に向け笑った。 それでも冷静な自分もいた。 どうやってココに来たのか しっかりと覚えている。 俺はベッドに腰かけた。