・・・潮の匂い?
暗闇の中に
波の音がする。
何も言わずに
縁石に座る輝樹の隣に
腰を下ろした。
「携帯 水没したんだって?」
「あ・・うん。
シャワー浴びさせちゃって・・」
「はははは
携帯にシャワーは必要ないな。」
・・・・・・
「俺と連絡はとれなくて
健二と連絡は取れたって事?」
「取れたっていうか・・・
メモリが全部消えちゃって
美香も旅行中でいなかったから
その・・・いとこくんの
家に行って・・」
「は?何で家知ってるわけ?」
まさか、輝樹の事が知りたくて
美香に連れて行ってもらった事があるなんて言えないし・・・
「前・・・美香の付き合いで
寄った事があったから・・」
「ふぅ~ん?ってか
俺の家教えたじゃん?
健二の家の近くだろ?」
「・・・それが
分からなくて・・・」
「健二の家は覚えてて
俺の家は分からないねぇ・・・」
完全に信用されてないし・・・